2024年8⽉1⽇〜9月30日にかけて、大垣書店(京都本店)にて「イラストフェスSP in 関西 meets 大垣書店 京都本店」が開催。
会場では「季刊エス」「SS(スモールエス)」が主催する関西初のイラストコンテストが開催され、たくさんの力作が集まりました。
本記事では、パイ インターナショナル賞を受賞された【鴨乃島】さんの作品を、インタビューとともにご紹介いたします。
作品コンセプト:
ホルベインさんから新たに発売された、透明水彩絵の具の分離色24色セットを主に使用して描きました。
色とりどりの絵の具を選ぶ楽しさをトマトの収穫に置き換えてみました。
水彩の滲みと混色がフルに活かされた、鮮やかで透明感のある作品で美しいです。
粗密と柔らかいタッチのバランスが心地良く、トマトのモチーフ選びもおしゃれ。
キャラクターも愛らしく、お散歩中の会話が今にも聞こえてきそうです!
鴨乃島
アーティスト/Watercolour painter
Instagram:kamonosima
─この度は「パイ インターナショナル賞」の受賞おめでとうございます。簡単な自己紹介をお願いします。
鴨乃島と申します。主に透明水彩絵の具とアクリルガッシュを使用して描いています。
最近は鴨に育てられた女の子【かもえちゃん】のお話を制作中です。
─鴨乃島さんは雑誌「SS(スモールエス)」の投稿者さんだと伺いました。どんな作品を投稿されていましたか? また、絵を描き始めたのはいつ頃からですか?
絵を描くことは幼少期から好きでしたが、本格的に絵を描きはじめたのは高校三年生の頃でした。
当時から使用画材は現在と変わらず、透明水彩絵の具やアクリルガッシュを使用した作品を投稿していました。
SS投稿時代は、ただがむしゃらに触れていたアニメーションや漫画に強く影響を受けており、『自身の好き』という気持ちを全面的に押し出した作品が多かったです。
現在のように1人の女の子に焦点を当てた、物語が背景に存在する作風とは異なりました。
─鴨乃島さんの創作には、動植物など自然が多く取り入れられており癒されます。これらのテーマやモチーフに興味を持ったきっかけを教えてください。
京都の大学に通っていた際、教授から「京都植物園」でのスケッチをオススメされたことをきっかけに、植物モチーフを描くようになりました。
京都植物園の温室の植物に惚れ込み、在学中は年間パスポートを購入して毎年通っていました。
(※令和元年5月14日以降、京都植物園観覧温室内での写生は禁止されております。)
─これまでの創作活動において、影響を与えた作品やクリエイターさんがいればお聞かせください。
日本画家の【東山魁夷】さん、透明水彩作家の【永山裕子】さん、漫画家の【山本ルンルン】さんの『はずんで!パパモッコ』や【マシュマロ通信】。
特に、絵本作家の【いわさきちひろ】さんや【junaida】さん、【いわむらかずお】さん、『こんとあき』の【林明子】さんに強く影響を受けております。
─普段、創作活動で参考にされている愛読書はありますか?
とあるイラストレーターさんがオススメされていた『Vision ヴィジョン ストーリーを伝える:色、光、構図』(ボーンデジタル刊)を愛読しております。
─ちなみにパイ インターナショナルの出版する書籍はご存知でしたでしょうか?
パイ インターナショナルの書籍は学生時代からコツコツと購入しており、たくさん所持しています。
【寺田克也】さんの作品集、【出水ぽすか】さんの画集、【坂月さかな】さんのコミック・作品集、【れおえん】さんの作品集、【みなはむ】さんの作品集を愛読しております!
まだまだ手元に置いておきたい作品集が沢山あります!
─ありがとうございます! 鴨乃島さんが今まで描いた作品の中で、最も印象深い作品は何ですか?
現在の【かもえちゃん】の原点になる作品です。
今もここから大きく容姿が変化することなく描き続けております。
─今後、挑戦してみたいことはありますか?
お仕事に関しては、さまざまな書籍の挿絵や装画、画材やお菓子などの商品パッケージイラストを担当してみたいです。
また、2023年の個展では近年で制作した作品を展示したので、次の個展では自身で制作する絵本に合わせて原画を展示したいです。
イラストコンテストにご応募いただきありがとうございました。
今後とも鴨乃島さんの創作活動を応援しています。