【森のなかで】

キノコとりに、森のなかへ。
小人の小さな足あと、それから大きな足あとを見つけた。
大きな足あとをたどっていくと、その先にふかふかの落ち葉の山。
「わあ!」と思わず飛びこむと、山が、のそりと動いた。
「だれだね? 昼寝のじゃまをするのは」
木の葉にうもれたもさもさの毛のあいだから、まるい目がのぞく。
牛のようなツノ、白っぽい灰色の大きな体。

「ねえ、キノコをとれる場所、知ってる?」ぼくが聞くと、彼はふむ、と首をかしげ、そっとぼくを頭に乗せて歩いた。
頭の上から見る森は、どこまでも続いていた。
小さな小川、その先に、ママたちがぼくを探しているのが見える。
ずいぶん離れてしまったらしい。
「ぼく、もう行くね」
たたたっと駆けおりて、ふり返ると、その姿はもう、どこにもなかった。
迎えに来たママが、「いま、だれと話していたの?」と不思議そうに聞いた。

Illustration & Text (C)tono
編集部
自分より大きな不思議な生き物にも、物怖じしない無邪気な子猫ノアがいいですね。
次回は12月下旬公開予定です。公開のお知らせはパイコミックアートのXにてお知らせします。ぜひフォローしてお待ちいただければ幸いです。