●はじめに
このたび、有り難いことに『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』が、「ボローニャ・ラガッツィ賞コミックス・ヤングアダルト部門 2023年」最優秀賞を受賞しました。
この受賞を受け、著者の坂月さかなさんには、イタリア ボローニャで3月6日に行われた授賞式および、3月7日のボローニャ国際児童図書展(通称ボローニャブックフェア)のイベントに出席してもらいました。
このレポートは、ボローニャに同行した担当編集が、帰国後、授賞式やブックフェアの様子、ボローニャの街のことなどをまとめたものです。自身の主観でつづった拙い文章ですが、こうして残しておくことで、もし、万が一、仮に、将来、誰かの役にたつことがあれば幸いです。
●ボローニャ・ラガッツィ賞
そもそも私は「ボローニャ・ラガッツィ賞」をよく知りませんでした。
受賞の第一報は、2023年1月27日(金)午前3時過ぎに弊社国際部の担当者宛に主催者からメールで届いたそうです。
私が、国際部の担当者から知らせを受けたのは27日(金)の朝でした。
ただ、その前にすでに、月刊MOEさんのアカウントにて受賞を伝えるツイートがされており、それを見た坂月さんのファンの方が、お祝いの言葉を添えて引用リツイートをされていました。さらにそれを坂月さんが見つけてツイートされていたのです。
つまり、弊社からお知らせする前に坂月さんは、この受賞を知ることになりました。
2023年のボローニャ・ラガッツィ賞受賞者が発表されました。https://t.co/oUaINSZ42O
日本からは『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』(パイ インターナショナル)がコミックス部門(ヤングアダルト向け)最優秀賞を受賞。おめでとうございます! https://t.co/gNoKxE5nXz— 月刊MOE (@MOE_web) January 26, 2023
私はといえば、まさに寝耳に水で「はて? ラガッツィ賞って何? 受賞?」と、頭の中は????????でいっぱいになっていました。
とりあえず坂月さんには「私もよくわからないのですが、何かの賞を受賞したみたいなので、詳細を確認して、わかり次第あらためてご連絡します」と何とも頼りない、情けないお電話をしてしまいました。
その後、担当者から説明を聞き、一年くらい前に国際部が賞に応募していたこと、大変、権威のある国際的な賞であること、ラガッツィ賞のうちコミック部門のヤングアダルト向けカテゴリの最優秀賞を受賞したこと等々、とにかく『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』が、めったに獲れない素晴らしい賞を受賞したということを理解しました。
坂月さんの作品といえば、現在、弊社でWEB連載中の『星旅少年』が、昨年、宝島社『このマンガがすごい!2023』オンナ編第5位にランクインしたのをはじめ、「次にくるマンガ大賞2022」Webマンガ部門のノミネートなどもあり、国内の漫画の賞やランキングは常々意識していました。
が、まさか『星旅少年』より前に刊行した『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』が、海外でコミックの賞を受賞するなんて全く予想もしていませんでした。ボローニャ・ラガッツィ賞受賞は、例えるなら突如、斜め上から降ってきたような嬉しいお知らせでした。
ボローニャ・ラガッツィ賞の詳細・審査員のコメントはこちらをご参照ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000879.000012505.html
ちなみに『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』は、まだ、翻訳版は出版されていません。ビジュアルを多く含むとはいえ、テキストはほぼ日本語のみです。そうした内容の書籍を、海外の審査委員が理解して評価してくれたことも、大変驚きでした。
●出発前
受賞の知らせから、数日後、受賞者はボローニャブックフェア中に開催される授賞式とオーサーズカフェへというイベントに出席できることがわかりました。せっかくの機会なので、坂月さんには、ぜひ出席いただきたいとボローニャ行きを打診しました。
とはいえ、『星旅少年』第3巻の刊行を控え、連載の原稿執筆作業も予断を許さない状況。プライベートなご予定もあるお忙しいなか、何とかスケジュールを繰り合わせていただき、ボローニャへ行ってもらうことが叶いました。坂月さん本当にありがとうございました。
そして、もともと弊社国際部は今回の受賞が決まる前から、今年のボローニャブックフェアには、4年ぶり3回目のブースを出展する予定でした。そんななか、1月末に受賞の知らせを受け、授賞式や受賞に関するイベントの詳細確認、関係各所との調整・打合せ、ホテル・飛行機の手配等々、当初の出展準備に加えて、約1ヶ月という短い期間で受賞関連の準備も整えることになりました。
それはもう並大抵のことではなかったと思います。
国際部の皆さんも本当にありがとうございました。