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ボローニャ・ラガッツィ賞授賞式随行レポ23.05.12更新

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いよいよブックフェア会場へ!異国の地でサイン会(3/7)

ボローニャ滞在 3日目。
朝から、ブックフェアの会場に向かいました。

この日のブックフェアの会場に入る前のチケット購入が、私的には今回のボローニャ出張の一番のハイライトでした。チケット購入に一手間二手間必要で、イタリア語はもとより、英語もさっぱりわからない私は、一生チケットが購入できないのではないかと途方に暮れました。

英語はできるに越したことはないと、海外に行くたびにしみじみと思うのですが、帰国するとどうでもよくなるので、このありさまです。坂月さん、その節は大変お待たせして申し訳ありませんでした。

ボローニャブックフェア会場入り口

ラガッツィ賞受賞作の表紙が掲示された看板が入り口に。
もちろん『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』もありました

弊社ブースの様子

午前11時30分より、坂月さんと弊社社長が、ブックフェア会場内で行われるオーサーズカフェというイベントに参加してスピーチを行いました。オーサーズカフェはラガッツィ賞受賞者や出版社の代表が、各ジャンルごとに分かれて作品紹介のスピーチを行うイベントです。『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』はコミックス・ヤングアダルト部門での受賞なのでコミック部門のオーサーズカフェに参加しました。

コミック部門は他に、台湾のアーリーリーダーズ部門(Early readers)とフランスのミドルグレード部門(Middle Grade)の受賞関係者の方々も一緒に登壇しました。スピーチは坂月さんが、出発前の忙しい合間を縫って日本語で書き上げてくれた原稿を、英訳しそれをスライドと共に読み上げるスタイルで行いました。スライドの作成と英訳の手配は国際部のHさんが担当してくれました。 英語は全くわからない私ですが、坂月さんのよく通る澄んだ声のスピーチに、思わず聞き入ってしまいました。社長は、坂月さんのスピーチのあとに、弊社パイ インターナショナルの紹介を英語で行いました。お二人とも堂々としたものでした。司会者とのいくつかの質疑応答を経て、オーサーズカフェは無事に幕を閉じました。

オーサーズカフェでの坂月さかなさんのスピーチはこちらで公開しております。
https://pie.co.jp/news/4870942/

オーサーズカフェの様子。
左から2番目が坂月さん、坂月さんの右隣が司会者、左隣が弊社社長

このあと、夕方に自社ブースで行う坂月さんのサイン会まで少し時間があったので、ブックフェアの会場を見て回りました。会場は、日本でいうところのビックサイトのような場所でした。フロアは、だいたい地域ごとに分かれており、英語圏のフロアが特に賑わっているようでした。

ボローニャブックフェアといえば、フランクフルトブックフェアやロンドンブックフェアなど、いくつかある国際的なブックフェアのなかでも、児童書専門のブックフェアという点が特徴です。 ちなみに『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』は、児童をターゲットに作った本ではありません。日本でメインとなっている読者層は20〜30代です。そういう意味でも、児童書専門のボローニャブックフェアでの賞の受賞は本当に意外でした。もちろん、世界中の様々な年齢層の方々に読んでもらいたいと思っています。

話が逸れましたが、ボローニャブックフェアの来場者は、本の版権(出版する権利)を買ったり、売ったりする出版関係者とイラストレーターがメインです。イラストレーターがブックフェアに何をしにくるのかというと、児童書を出版している出版社に、絵本や児童書のイラストレーターとして使ってもらえるように売り込みにくるのでした。イタリア国内だけでなく、世界中のイラストレーターが売り込みにくるそうです。

会場内には「ポートフォリオレビュー」というイラストレーターが自身の作品を持ち込んで、出版社に講評してもらう日本でいうところの出張編集部のイラストレーター版のようなコーナーもあり、ひときわ賑わっていました。

長蛇の列ができている出版社のブースに「何だろう?」と近づいてみると、だいたい、ポートフォリオの持ち込みの順番を待つイラストレータたちの列でした。「持ち込みOK」と公表している出版社のブースには、こぞってイラストレーターがやってくるようです。また、弊社のように持ち込みに対応する人員がさけずに、残念ながらお断りしている出版社のブースにまで、熱心に売り込みにくる作家さんもいらっしゃいました。ボローニャ国際絵本原画展入選作品を展示するコーナーなど、会場内には多数、イラスト展示のコーナーもありました。

これほど多くのイラストレーターが来場し、イラストにスポットが当たるという点も、ボローニャブックフェアの特徴のようです。

ラガッツィ賞受賞作品が展示されているコーナー。
本を上から吊り下げるユニークな展示方法が目を引きました

世界中の出版社が出展していました

ポートフォリオレビューのコーナー。
イラストレーターたちがこぞって集まっていました

持ち込みOKの出版社のブースにもイラストレーターが列を成していました

各国の児童向けコミックが展示されているコーナー

イラストの展示コーナー

夕方からのサイン会には、以前から坂月さんのinstagramをフォローしているというファンの方や、オーサーズカフェのスピーチを聴いて来たという方、息子さんへのお土産に本を購入したという方など、国籍・年齢・性別も様々な方々が来てくれました。

日本で行うサイン会ほどの集客はありませんでしたが、世界各国の人たちが『プラネタリウム・ゴースト・トラベル』を手にして、坂月さんに直接、感想を伝えるという日本では見ることができない光景が見られ感動しました。

サイン会の様子

 

【第5回】2度目の観光(ガイドさん様様Ver.)~日本へ帰国!につづく

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ボローニャ・ラガッツィ賞授賞式随行レポ

編集部・斉藤

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