探索者はレーダーを頼りに、この星で最も菌濃度が高く危険な場所へと到達した。
そこはまるでこの星に巣食う腫瘍のようにも見える。
星を覆い尽くしているすべての菌は、ここから拡散していったのだ。
常人ならばこの場の異常さに平常心を保てず、気が狂うだろう。
異様な光景が広がる景色の中心には、見慣れた文明の飛行物体の残骸があった。
「あれが見えるかい」
「! あれは……地球製のシャトルの……! なぜこんなところに」
「実はここに来る前、この星――上層部が管理している――に関する資料を少し覗かせてもらったんだ。
“サンプル”を積んで同盟の星の研究施設に送った探査機が、なんらかの理由でここに不時着している」
「まさか“サンプル”が漏れ出してこんなことに……?
じゃあこの星は人間のせいでこんなことになっちまってるってことなのか」
「原因についてもゆっくり調べたいところだけど、辿り着くのに結構時間がかかったせいか、防護服がそろそろ限界みたいだ。それに――」
NEXT <第3回>1月に更新予定です。