気配を感じていた。
「それら」は探索者の隙を窺い、容赦なく襲いかかる。
壊れかけの防護服で、残されたわずかな時間の中で応戦するのは自殺行為に等しい。
探索者は、防護服に残された全てのエネルギーを駆使して「それら」の猛攻を退ける。
進んできた道に残した目印を頼りに、地上を目指した。
「――――残り800m! 40秒後にそっちに着くから今すぐシップを飛ばせるようにしてほしい!」
「もうやってる! けど、こちらに向かってくる敵の数が多すぎやしないか!?」
「確実に私を仕留めようと仲間を呼ばれたんだろう! 彼らにとって私は侵入者だからな」
「離脱準備完了した!」
「了解! ――――バックパックの燃料が切れそうだ。これではすぐに追いつかれる……――――すまない! 私のことは置いていけ! サンプルカプセルはマーカーを入力し宇宙空間へ射出するから帰還時に回収してほしい!」
「いいやまだ間に合う! 今シップをそっちに飛ばす!」
「捕まれ!!」
NEXT <第4回>2月に更新予定です。