水の星は、表面の100%が水に覆われた惑星。
かつては、地底世界で高度な文明を築き上げた一族の惑星だった。
人類と同盟関係を結び、宇宙では「地底の星」とまで呼ばれていた。
報告では「すべてが一夜にして水底に沈んだ」とされている。
現在、陸地は確認されていないようだ。
この惑星での探索者たちの任務は、二つ。
一、星を沈めるほどの水がどのように発生したのか、原因を探ること。
二、交流可能な現住民がいるのか、一族の生存者を確認すること。
惑星に到着した際、機械による信号を水底から傍受した。
シップに装備されている潜水ユニットを使用し、直ちに調査を開始する。
「かなりの水深まで潜ったけど、信号の発信源に辿り着くにはまだかかりそう」
「周囲の様子は」
「現住生物を何度か見かけたが襲ってくる気配はない。
それと不自然に建造物があちこちに見えている」
「建造物? 変だな。彼らの都市はもっと深層領域にあるはずだ」
「ここまで潜る前、沈水した大地の表面に何らかの衝撃が走った痕跡を確認した。
あくまで推測だが、まるで惑星の外から水が一気に降ってきたような感じだ。
周囲の建造物も、巨大な波によって押し流されてきたものにも見える」
「……状況は把握した。引き続き潜水調査を頼む。
任務が続行不可能と感じた場合はすぐに引き返すんだ」
「了解」
NEXT <第5回>3月に更新予定です。