【児玉兄弟（コダマキョウダイ）】

俺の友だちの児玉朝生と児玉夕は双子の兄弟だ。

兄の朝生はいつも制服を着崩して音楽を聞きながら電車に乗ってくる。ちょっと気取った奴だと最初は思ってた。でも、俺が改札口で定期券が見つからなくてカバンの中を引っ掻き回している時、後ろから「お前のだろ」と拾ってくれたのが彼だった。俺の知らない音楽とか服とか、色々なことを教えてくれる兄ちゃんのような奴だ。

弟の夕は、インテリ風眼鏡の見た目と裏腹に中学の時に遊んでたという噂がある。廊下でいつも友だちとでかい声で喋っている彼に最初は苦手意識があった。ある時、狼の身体に鬼の顔が付いた神さんを思いっきり蹴り飛ばしているところをたまたま目撃してしまった。同時に彼の首と腕に紋様のようなものがびっしり描いてあるのが目に入った。何の呪文か分からなかったが、ゆっきーと同じように、彼も神さんから身を守る術を身につけているように感じた。

「これって身を守るため？」俺は思わず聞いていた。「あー、そう、そんな感じ。でもぜんっぜん役に立たなくてさ。まあ俺の方が強いから良いけどな」。にやりと笑う彼に、神さんより強い人間なんているかよ！！？ 俺は心の中でつっこんだ。

それから何となく夕とも連むようになった。クラスは違うけれど、今では二人とも仲の良い友だちだ。

キャラクター：児玉朝生・児玉夕

第6話 児玉兄弟（コダマキョウダイ）終わり

Illustration & Text （C）tsukku

これで、妖平の通う高校のいつメンを全員紹介できました。

児玉朝生、児玉夕、奥村ひさぎ、ゆっきーこと東幸哉をよろしくお願いします。

次回は12月下旬更新予定です。